丁寧に暮らしたら、時間がゆっくり流れるかもしれない

気づいたら、季節が変わってた。

 

 

 

あら。仕事に追われて暮らしているうちに、いつの間にか9月。気がついたら大好きな夏が終わってしまっていた。今年は夏祭りも花火大会も、海さえ見ることができなかった。あ、プールは行けた。

 

 

プールくらいしか、夏らしいことができなかったのに。平成最後の夏だったのに。夏はまた遠くへいってしまった。そして、恐ろしいことにどうやら今年はあと3ヵ月しか残っていないらしい。

 

 

 

「気がついたら時が経ってた」

私はいつからこう感じていたんだろうか。独立してから前に比べてさらに時の流れがはやくなった気がする。きっと、このままいくと気がついたら骨になってる。一時期、いつ死んでも後悔はないと言っていたけど、今考えてみるとまだ死ぬわけにいかない。このまま時が過ぎて骨になったら、“むこう”にいるじいちゃんに何の報告もできない。気がついたら死んでたんだよねぇ……そんなまぬけなことは言いたくない。

 

 

 

ということで、時間の流れをゆっくりに変えてみようと思う。

 

 

ヒントはたぶん『日常』を抜け出すこと

普段は10~11時の間に起きることが多い。8時~8時半くらいに一度目を覚まして、眠いからまた眠る、気づいたら10時、11時。当然、その日の私に午前中はない。理想は6時~7時の間に起きることなのだけれど、長年「言っているだけ」の状態が続いている。

 

 

 

そんな私に、早起きをする機会があった。そのきっかけが、いちごスイーツ専門店のいちびこ(東京・三軒茶屋)である。

 

 

7時~11時の間は『いちごモーニング』なるイチゴジャム&トースト+コーヒーor紅茶付きのセットが食べられる。

 

 

三軒茶屋の人気のパン屋『濱田屋』の厚切りトースト。これを目的に、早起きをした。正確な時間は覚えてないけど、お店についた時点では7時半くらいだったように思う。ふわふわのバターと果肉感たっぷりの贅沢ないちごジャム。語彙力を失い、「おいしい」以外の言葉が出てこなくなるほどおいしい。甘いいちごがほぼ果実のままジャムになっているので食感がたまらない。濃厚なバターが染みた厚切りトーストはジャムなしで食べても甘い。噛めば噛むほど甘さと旨味が染みる。

 

 

 

「楽しみがあると早起きできる」は本当だった。

 

 

 

さらに、いちびこに足を運んだのは他にも目的があった。というより、こちらが大本命だった。

 

 

夏なので。かき氷。
食べる宝石とよばれているミガキイチゴを贅沢にのせ、練乳エスプーマをたっぷり使った超濃厚な贅沢かき氷。テーブルに運ばれてくるのをみて「デカッ! やばっ! 」と焦ったものの、ふわふわなのでひとりでも食べられる量だった。(かき氷って、でかくても食べきれるよねぇ。おいしいとなおさら)

 

 

 

 

この時点で8時をまわったくらい。朝っぱらから、これでもかというほどの甘味を摂取。最高の朝だった。

 

 

 

 

お腹も心も満たされ、幸せな気持ちで帰宅。そのあと午前中はダラダラと本を読んで過ごしていた。ふと気づく。「え、まだ11時なんだけど」いつもならようやく重い体を起こす時間。体感で言えば、普段はこの時点で15時、16時なんてこともザラなのに、早起きをしただけでとても一日が長い。

 

 

 

 

お昼ごはんを食べ、昼寝をし、友達の家へ出かけ、帰ってきてまた昼寝をして夜ごはんを食べても、夜の時間がこんなにたっぷりあるなんて。その1日は実に長かった。

 

 

 

 

ちょっと早起きをして『日常』を変えた、それだけでこんなにも1日が長いなんて。長い1日を繰り返せば、「もう1週間経ったの? 」なんてことがなくなるかもしれない。

 

 

 

 

「いつもと違うことをしてみる」「ただ作業を繰り返さない」「習慣に屈しない」「今、自分がやっていることを感じる」「季節を感じることをする」これだけでも、もしかしたら時間をのばすことができるのかもしれない。

 

 

 

 

「まぁいいか」という日常を抜け出して。
骨になったあと、満足のいく人生が送れたよと報告するために。笑うために。