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大人になったら好きになった『紅の豚』。全部のセリフが粋。 | ペトリコールのあとで

大人になったら好きになった『紅の豚』。全部のセリフが粋。

金曜ロードショーでみるジブリが好きです。

 

 

金曜ロードショーのジブリ祭り。最高じゃないですか。(細田守祭りも好きです)ジブリに限らずですが、テレビでみる映画が好きです。映画館でみる映画はもちろん良い。

 

 

でも、金曜日の夜。
テレビの前でだら~~っとしながらみる映画が好き。

 

 

子供の頃は分からなかった『紅の豚』の魅力

中学生のとき。学期末とか、授業時間に映画をみたりすることってあるじゃないですか。視聴覚室集合。みたいな感じで。たぶん、授業でやるべきところが全部終わったときとかそうだったんだと思うんですけど、授業時間にやたらと『紅の豚』をみた記憶があります。

 

 

なぜか、ラピュタとか魔女の宅急便とかはないんですよね。『紅の豚』か『はだしのゲン』、『火垂るの墓』。このあたり。『はだしのゲン』『火垂るの墓』はなんとなく分かるけど、そこに混じる『紅の豚』。なぜだろう。

 

 

しかし、私には分からなかった。
『紅の豚』の面白さが、全然分からなかったんです。

 

 

ただ豚が喋って動いて飛行機に乗ってる。「飛ばねぇ豚はただの豚だ」って、それだけ記憶に残る。なんかつまんなくて難解だから授業時間に見せられる。そんな映画でした。

 

 

でも、大人になって分かったの。『紅のの豚』の素晴らしさが。

 

 

 

セリフが全部神がかってる

なんというか。子供の頃には分からなかったことが、大人になったらズシンと響くようになりました。

 

 

例えば。戦争で自分だけが生き残ってしまった話をしたとき。フィオは「神様がまだくるなって言ったのね」と言います。私たち視聴者も「ウンウン」ってなるんですが、それに対しポルコは「お前はずっとそうして一人で飛んでいろって言われた気がした」と。

 

 

子供の頃は、当たり前だったことが、大人になって当たり前じゃなくなる。たとえば大切な人を亡くしてしまった気持ち。

 

 

「生き残れてラッキーだったじゃん」じゃなく「残されてしまった」という気持ちが痛いほど分かるようになった。生きた先に幸せがあることは分かるけど、避けられない別れを経験すると、今まで見えてこなかったものが見えてくる。

 

 

さりげないセリフも、全部、粋なの。

 

 

キスしたら豚の魔法が解けるかもと言うフィオに対してポルコが言った「「馬鹿野郎!そういうのは一番大事な時にととっけ!」とか。

 

 

カーチスからのプロポーズを断るジーナの「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの」っていうセリフとか。「あなたもう一人の女の子を不幸にする気なの?」とか。

 

 

粋なの。本当に。何でもないセリフも、全部全部聞き逃せない。全部メモって何度も観返したいくらい強くて美しくてどこか切なくて、でもちゃんとあたたかくて、そんなセリフを言うキャラクターたちが魅力的。魅力の集合体です。

 

 

 

ラストシーンで「うわぁあああ~~~」ってなる

『紅の豚』って結局なんなの? って聞かれたら、たぶんこれは、ラブストーリーなんじゃないかなと思う。(少女マンガ脳)しっとりとした、余韻の残るラブストーリー。

 

 

作中でジーナは、ある賭けをしています。「 私、今、賭けをしてるから。 私がこの庭にいる時その人が訪ねてきたら今度こそ愛そうって賭けしてるの。 でもそのバカ、夜のお店にしか来ないわ。 日差しの中へはちっとも出てこない。」

 

 

最後、ホテル・アドリアーノの庭に赤い飛行艇が止まっているのが見えたとき。感動で鳥肌がたった。

 

 

 

ps.acaelさんの描いたジーナとフィオが最高に可愛い……。額に入れて飾りたいくらい可愛い。

 

 

今夜は紅の豚をみよう。